2018-02-20

シンガポールテレコムがアジア・アフリカで投資加速

概要

2018年2月8日、シンガポールテレコム(SGX: Z74)は2018年第3四半期の決算報告を行いました。新興国の通信市場で競争が激化していることから業績が伸び悩み、決算報告を受けて株価は下落しています。

価格競争の激化

オーストラリア市場シェア2位オプタスの業績は好調。一方、フィリピン、インドネシア、インドなどの通信市場で競争が激化していることが業績の低迷に繋がっています。

シンガポールテレコムは国外で利益の70%を稼いでいます。現時点ではシンガポールとオーストラリアの事業利益が屋台骨を支えている収益構造ですが、事業地域をアジア・アフリカへ拡大する戦略をとっています。

新興国の市況や為替によって業績が左右される状況は今後も続くと思われます。

新興国への投資拡大

今期の大きなニュースとしては、インド・南アジア・アフリカで展開するバーティエアテル (インド首位)の株式保有比率が39.5%に達したことです。

同社はインド国内の市場シェア首位を維持しているものの、市場占有率は24%に過ぎず、激しい競争にさらされている状況です。

しかし、シンガポールテレコムの経営陣はインドの移動体通信市場の持続的な成長に確信を持っています。

企業名国名株式保有率市場占有率国内順位
AISタイ23%45%首位
バーティエアテル インド40%24%首位
グローブテレコムフィリピン47%48%首位
オプタスオーストラリア100%29%2位
テレコムセルインドネシア35%47%首位
インタッチタイ21%--
シングテルシンガポール100%49%首位

投資方針

バーティエアテルはインド国内だけでなく、アフリカで事業展開を拡大しています。シンガポールテレコムは同社へ投資することで東南アジア・南アジア・アフリカの顧客から利益を獲得することができるわけです。

私はシンガポールテレコムを通信市場への投資会社と見做しています。新興国の寡占市場へ広く投資を展開する同社へ長期投資する考えは変わりません。

銘柄分析

シンガポールテレコムの銘柄分析の詳細についてはこちらをご覧ください。

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