2018-04-12

クックパッド株を売却

概要

2018年4月11日、クックパッド(TYO: 2193)の株式300株を売却しました。売却価格は1株あたり599円で総額は179,587円です。今回の売却によって合計株数は0株となり、103,726円(-32.26%)の損失を確定したこととなります。

当初の想定と異なる経営戦略

クックパッドの事業戦略と業績については、「クックパッドを待ち受ける長いトンネル(2月24日付)」でご説明しました。業績が絶好調の中、カリスマ経営者を追い出し、創業者が戻ってきた当社。ガバナンスの不安と経営層への疑念が拭えないまま数年が経過しました。事業の多角化を図った前任者の功績を徹底的に潰し、料理事業へ経営資源を集中する戦略を採用しています。

こうした方針の下、料理事業以外を徹底的に売却した結果、売上と営業CFは激減。今期の決算報告では、売上の減少は底を打った印象を与えているものの、先行きの不透明さは相変わらず。

また、選択と集中を試みた割には、営業利益率50%前後を誇ったかつての姿からはほど遠い状況となっています。

今後への期待と不安

今後の事業展開を占う上で大きな変化だったのが動画事業を子会社へ移管したことです。完全に動画事業では出遅れているため、迅速な事業拡大によって市場シェアを取り戻すことができるかが今後のポイントとなります。

ただ、動画事業に成長分野を見出しているものの、収益モデルがGoogleの検索アルゴリズムと広告単価に左右され続ける懸念は払拭できません。経営戦略と業績見込みをセットで考えることが難しい状況となっていました。

海外事業への懸念

前回の記事でも書きましたが、料理レシピ業界で世界を獲ることを経営陣は目指しています。その心意気は素晴らしいと思います。しかし、レシピを見ながら自炊中心の生活を送る国民を日本以外で見たことがありません。

食文化が変化するには時間がかかります。それまでクックパッドが高成長を維持できるか。大きな懸念が残ります。

投資判断

当社は、「10年間成長できるように投資するフェーズにある」としています。私の直感も同様です。浮上するまでに時間がかかる印象を持ちます。中長期で保有し、追加取得を繰り返すことを想定していましたが、多くの事業売却とCFの悪化は想定外でした。投資を始めたころの想定と異なる現状を前に、全ての株式を売却することとしました。

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