円ではなく%で考える長期投資
日経平均株価が1,000円も下落。ダウ平均株価が500ドルも下落。経済誌を賑わすこの言葉に、ベテラン投資家からは「比率であらわすべし」と忠告が飛んでいます。話は単純です。株価が20,000円のときに1,000円下落した場合の下落幅は5%ですが、10,000円のときに1,000円下落した場合の下落幅は10%となります。後者の方が大惨事であることは明確です。
しかし、頭ではわかっていても感覚的に理解しにくいのですよね。特に投資をはじめたての頃は、相対比率(%)ではなく絶対値(円)で考えがちになります。私も長い間そうでしたから、その気持ちよくわかります。
長期投資で実感する%の威力
投資金額が大きくなってくると、円ではなく%で考えることの大切さを感じることができます。たとえば、1,000万円を投資して10万円の評価損が出ている状況で考えて見ましょう。私たちサラリーマンにとって10万円は大金です。しかし、比率で考えれば評価損はたったの1%に過ぎません。
また、配当金に関しても同様のことが言えます。投資元本に対して年間3%の配当金を受け取ることを目標とすると仮定しましょう。100万円の元本であれば、たったの3万円です。これでは年金の代わりにもなりませんし、生活に余裕が出るとは到底考えにくいでしょう。一方、1,000万円の元本ではどうでしょうか。年間30万円の配当金を受け取ることになります。サラリーマンが昇給で同程度の給与増を狙うのはとても難しいことです。
このように、絶対値(円)ではなく相対比率(%)で考えることは、長期投資をする上でとても大切なことだと思います。
投資をしていない人にとっては、とても単純なことに感じるでしょう。しかし、頭でわかっていても、投資を実践しながら実感することができるまでには年月がかかるものです。私は本格的に投資をはじめて10年弱ですが、ようやく実感できるようになりました。
円ではなく%で考え、配当金を再投資して元本を大きくしていく。この単純作業をいかに若い頃から始め、%の威力を肌で感じることができるか。長期投資で成功するための大切なポイントだと思います。