2019-11-21

悩めるドロップボックスの苦し紛れの提案

ドロップボックス(NASDAQ: DBX)が成長戦略に迷っている印象を受けます。私は2018年からドロップボックスをポートフォリオに組み入れていますが、ここへきて経営陣の苦し紛れの提案が目につきます。

ドロップボックスは「スマートワークスペース」構想を打ち上げ、あらゆるコンテンツとツールを集約するビジネスプラットフォームに近づけようとしています。たとえば、「Dropbox Paper」、「Dropbox Transfer」、「HelloSign」といった追加機能に加え、新しインターフェースを導入したデスクトップアプリも公開しました。

新機能の追加は一見すると良いことのように捉えられがちですが、私はドロップボックスの売りはシンプルさにあると考えています。中途半端に詰め込みすぎると、「Slack」や「Microsoft Teams」と競合する恐れが出てきます。言うまでもなく、ビジネスプラットフォーム市場は飽和しつつあり、ドロップボックスが参入するには極めて分が悪いです。

では、ドロップボックスはどのような成長戦略を描けばよいのでしょうか。外部サービスとの連携や互換性を高め、法人営業に強いビジネスツールとパッケージで売り込んでもらう戦略を採用することです。その一方で、マイクロソフトやグーグルなどのストーレージサービスを圧倒するクオリティのストーレージ機能を極める。こうした戦略が必要なのではないでしょうか。

株価の推移(DBX)

関連記事